2015年07月28日

さかさま

さかさま
安野光雅 さく・え
1969.11.1.
1980.12.1.
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「さかさま」は、さかさま?と思いながら見る向きによって、どちらが正しいのか、どちらが普通なのかわからなくなる、そんな不思議な絵本です。ついでに言うと、影ではなくて「さかさま」なので、じっと絵を眺めてしまうと頭の中がおかしくなってきます。「さかさま」であって、反転の世界ともちょっと違って、どちらの世界でもそれぞれに物語がちゃんと成立しています。でも、絵本の天地を逆にしてみると、つまりは、逆さまにしてみると、「さかさま」状態では気がつかなかった発見もあったりして、くるくる本を回しながらの読み直し。
この絵本に文章がついているということが意外な発見で、文章がついていないというのは、単に私の思い込み。でも、文章が添えられていると、素直に文章が読める向きがどうしても「正しい方向」となってしまうので、「さかさま」絵本としては、ちょっと残念。「さかさま」議論は、トランプの8人の王様で展開されております。



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2015年07月22日

ちいさい みちこちゃん

ちいさい みちこちゃん
なかがわ りえこ さく
やまわき ゆりこ え
1972.4.1.
1986.5.1. 

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幼稚園に入る前の妹や弟が、お兄ちゃんやお姉ちゃんに憧れて、一緒に行きたい、とくっついて行くという小さな子の王道ストーリー。小学校に上がっているお兄ちゃんお姉ちゃんに憧れるというバージョンもありますが、本当にこういうことって起こるのかしら?と不思議の種です。

みちこちゃんが幼稚園に入りたくて仕方なく、と言うより、幼稚園にいるお兄さんやお姉さんと遊びたかったのだろうな、と思うのだが、幼稚園の柵の向こうを行ったり来たり。その様子は、テキストで読む以上に絵が物語っていて、自分だったら、柵の下から中を覗き見るかも、と言うような空想もまた楽しいのです。その幼稚園に入り込む作戦がすごいのだけれど、そこから広がるお遊びのひと時よりも、お家のネコが迎えに来て、あれやこれやとやり取りする、終盤が好きな作品です。この作品が魅力的に感じるのは、楽しい表情がいっぱいの、たくさんの子どもたちが描かれている絵故でしょう。
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2015年07月21日

あたごの浦 讃岐のおはなし


あたごの浦 讃岐のおはなし
脇 和子・脇 明子 再話
大道 あや 画
1984.9.1.

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耳にしたことがない方言の文章を読むのはとても難しい。この絵本は、タイトルそのままに讃岐言葉で綴られており、読むのに四苦八苦。本を読むときは、無意識の内に脳内で声に出しで読んでいるので、抑揚がわからないし、速度や微妙な音の組み合わせがわからないので、文字をどのように音声化すればよいのか迷走ばかり。うまくリズムを作れないので、お話もすんなりとは入って来ず、何回読み直しをしたことか。
こんな状況なので、恐らく面白い、となるところ、これは行けている、と感心するであろうところも淡々と通過。最後まで行き着いて、何となくお話の流れがわかったところで今度は絵だけを追ってページをめくって初めて、なるほど、これはお互いに発想の奇抜さを競いつつ、皆で楽しむという物語なのかな、というところに気持ちが落ち着きました。

発行年を見ると、中途半端に大人になりかけの頃の絵本で、ちゃんと読んでいなかったかもしれません。
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2015年07月19日

あーちゃんはパンやさん

あーちゃんは パンやさん
ねじめ正一 作
井上 洋介 絵
1986.1.1.

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あーちゃんとお友だちが遊びに出かけるときに乗ってる三輪車姿の絵を見てから、そういえば、三輪車に乗っている子どもを見ることがないな、と思ったのです。三輪車、今もあるよ、と友だちには言われたけれど、本当に見ない。近所などで小さな子が遊んでいないわけではないのだけれど…そういえば、今の三輪車年代の子どもたちは、どんな乗り物に乗っているだろう。車の形をした物の中に座って足で漕ぐタイプの乗り物なんて、絶対に絶滅種なんだろうな。

さて、この作品、文のリズムはちょっとちぐはぐ。登場するパンの名前も奇想天外。パン屋さんだけど工場から配達されるパンで、今のパン屋さんはこうではないでしょう、と突っ込みどころ満載。でも、待てよ?子どもの頃の近所の商店街や、休み時間にお腹が空くと買いに走った高校の近所にあったパン屋さん、いずれもお店でパンを焼いてはいなかったかも。ん?お店の奥で焼いていたのかな?




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2015年07月13日

こぶたのまーち

こぶたのまーち
むらやま けいこ さく
ほりうち せいいち え
1969.6.1.
1976.11.1.

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絵が堀内誠一さんなのですが、この作品は、絵よりもお話の方が心に残っていました。
扉を開けた途端、確かこの作品は、とてとて ぷっ ぷっ ぷー だよと。

とてとて ぷっ ぷっ ぷー

らっぱで吹く音のならびをしっかり覚えていて、自分でもびっくり。

毎日のらっぱのお稽古が辛くて仕方がないこぶた君。お稽古から逃げたくて遠くへ逃げてしまおうと思っても、お父さんが吹くらっぱの音が届く範囲までしか出かけられない、というあたりは何とも可哀相。でも、こどもの大冒険、行動範囲というのは案外そういうものなのかも。
それよりも、何なのかしら、この逆転の発想、と驚かされるのは、遠くまで逃げられないのならだお父さんのらっぱに入ってしまおう、というところ。それも、隠れるためではなく、らっぱの音を出させないようにするために。
こどもの頃、面白いと思ったのは、らっぱに潜り込んだその後の展開だったはずなのだけれど、再読では感じ入った処が違うようです。
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2015年07月11日

おばあさんのすぷーん

おばあさんのすぷーん
神沢利子 さく
富山妙子 え
1969.12.1.
1977.12.1.

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お話の内容を全く覚えておらず、初めて読むワクドキ感で読みました。
表紙の色合いとおばあさんの顔の形からちょっと怖いおばあさんのお話なのかな、と思って読み始めたら、全く違う展開で、読み終わってから表紙をもう一度見てみたら、ねずみが3匹、楽しそうにおばあさんのひざの上にいるではないですか。
注意深く見ないと、こんなうっかり勘違いが起きてしまう、と心の中で苦笑い。

絵本の醍醐味が発揮されているな、と思うのは、おばあさんのお部屋(お家)の中。けっこう見応えがありまして、普段はどんな生活をしている人なのか、という外伝物語もできそうです。

この絵本が楽しいのは内容だけでなく、文章のリズム。日本語の強み、七五調で綴られていて、とても軽快。ただ、物語の締めの部分がそのリズムから外れていてちょっと残念。ホントに残念。


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2015年07月09日

たろうのばけつ

たろうのばけつ
村山 桂子 さく
堀内 誠一 え
1968.7.10.
1977.3.1.

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堀内誠一さんの絵本だという意識が生まれたのは、かなり大きくなってからのこと。こうして改めて手にとってみると、日本の絵本としては、かなり文章が長い絵本なので、初めて読んだときは、絵を追って楽しんだのか、きちんと真面目に読んだのか、そのあたりがとても興味のあるところ。

読み直しをした今回、今まで絵にばかり魅かれていたけれど、このお話の流れも好きだな、と思いました。こうして文章にまとめようとすると、お話の流れは、物事を捉える発想って人それぞれなんだよ、七変化なんだよ、というメッセージがあるのかなと感じたりして。たろう君にはばけつであってもある人にとっては、かばんになるし、別の人にとっては帽子になるし、プールにもなるという「一つのものが複数役」という展開で、次に「貸して」とお願いに来るのは誰かな、と思いながらページをめくる楽しみと、何にして使うって言うのかなと、想像する瞬間が面白いと感じました。

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2015年07月07日

ちょうちんあんこう

ちょうちんあんこう
なかの ひろたか さく・え
1966.9.1.
1976.10.1.

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ちょうちんあんこうという生物を知ったのは間違いなくこの絵本だ。簡単に行くことができない深い深い海の中、そんな場所が地球上にあるんだよ、ということを教えてくれた絵本ということにもなる絵本だ。

再読して驚いたのは、ちょうちんあんこうが話に聞いたお月さまを見たい、見たいと思い続けてどんどん水面まで上昇し、トビウオに力を貸してもらって一瞬水という壁というか、遮るものを外してやっと月を見ることができた瞬間までは記憶にあったのに、そこから結末までが、こんなにもあっけなく終わっていたという事実。そして、再読中のどきどき。何故って、深海に棲むちょうちんあんこうがむやみに水圧の低い水面にまで上がって来ては危険極まりないはずたから。妙に賢しくなると物語って楽しめなくなるなあという思いも。

初読み時から今に至るまで変わらずに好きなのは、深海の青の風合い。絵本の紙質の性か、ちょっとモアレを起こした感じの青の質感。
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2015年07月01日

きつねとねずみ

きつねとねずみ
ビアンキ 作
内田莉莎子 訳
山田三郎 絵
1967.3.25.
1978.6.1.

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海外のお話が紹介されるものの多くは説教くさいか、教訓じみていて面白みがない、と思うことが多い。民話だったり、民間伝承が元になっていると、尚更だ。子どもの頃、この作品を痛快と感じたのか、強いものを知恵で負かす構図を社会の一端を学ぶものとして読んでいたのか、定かではない。だが、再読して思ったのは、一般的に天敵との関係だとか、強き者と弱き者、優劣が明白であっても工夫をすれば生き残れる道が見出せる、ということをどこかで感じ取っていただろうな、ということだ。このお話の場合、確実に教訓として心に刻まれていたようだ。

何よりも不思議に感じていたのは、そして、今でも謎に思うのは、この表紙から受ける印象と中身の違いだ。この表紙を見る限り、キツネとねずみが仲良く会話しているように見えるのだ。なのに、物語は予想に違わぬ犬猿の仲。しかも、弱者であろうねずみがちゃっかりキツネをやっつけるという物語だからたまりません。


posted by 花ちゃんとクマの菜葉 at 19:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 番外編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする