2016年08月29日

たろうのともだち

たろうのともだち
村山桂子 さく
堀内誠一 え
1967.4.1.
1977.4.1.

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堀内誠一さんは、絵の担当で、文章は村山桂子さんなのだけれど、「堀内誠一さんの」という冠を付けてしまいたくなる絵本「たろう」シリーズの第二弾作品だ。
ここでは、たろう君が登場するまでは、生物界の常として、当たり前の弱者は強者に従うという構図で、小さいものが大きなものの家来になりながら仲間が増えていくのだけれど、たろう君の登場で、「友だちになるなら仲間になってもいいよ」という言葉で、がらりと雰囲気が変わるのだ。お友だちって強弱の関係ではなく、仲良くするものなのだ、ということが。
何よりすごいなと思うのは、絵。登場する生き物が好んで生息する場所等を表現するときは、背景までもがっちりと描き込まれていて情景描写もしており、反対に生き物たちの出会いの場面は、背景の書き込みはなく、会話の緊張感まで伝わってくるというメリハリ。表紙と本文の色合いの違い。文章を読まず、絵を追うだけで物語が伝わってくるという凄さ。
posted by 花ちゃんとクマの菜葉 at 21:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 番外編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月28日

こどものとも 60周年記念

たぶん、大人が期待することそのものが無理があることだと思うのだけれど、今年いろいろ企画されている「こどものとも」創刊60周年記念のいろいろなイベント。かつて「こどものとも」が大好きだった、そして、今でも大好きな大人だけでも参加できるイベントがなくてとっても残念。大人は、自分でいろいろ楽しんでね、というメッセージだと勝手に妄想して、ここでこうして、再読感想を書いております。

久しぶりに福音館書店さんのHPを確認に行ったら「こどものとも60周年記念」企画でまた新しい楽しいものがHP上でオープンしていました。

その1)「こどものとも図書館」 

生年月を入れると、年長さんのときに読んでいたはずの「こどものとも」一年分が出てくるという仕組み。
早速検索してみたところ、翌年度の年代の子たちが年長さんのときに読んだ絵本が出て来ました。早生まれ月のことは、どうも考慮できていないようです。

その2)こどものとも診断

今の子どもたちに、年代別といくつかの質問で、おすすめ「こどものとも」が紹介されるという仕組み。
昨今のネット上でのXXX診断に影響されすぎて、「あなたは、こどものとも絵本で登場したキャラクターなら△△ですよ。」という仕組みなのかと思ったら、全く違いちょっと苦笑い。毒されすぎてます、世の中に。
絵本を手に取ってもらえるように、という仕組みなのですから…
でも、子ども年代向きではない、大人のあなたが今読むときっと楽しめる「こどものとも」はこれ…という仕組みも用意しておいてくれると面白かったな。

こどものとも創刊60周年記念HPは、こちらです。

posted by 花ちゃんとクマの菜葉 at 11:15| Comment(0) | TrackBack(0) | いろいろなこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月09日

そらいろのたね

そらいろのたね
なかがわえりこ さく
おおむらゆりこ え
1964.4.1.
1973.4.1.

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びっくりするほど恐ろしい終わり方をするお話しである。「そらいろのたね」から空色のお家が出てきて、ずんずんと大きくなって、小動物から大きな動物、お友だちまでみんな入って遊ぶことができるような大きさにまで成長する。この辺りは、次はどれだか大きくなって、誰が入れるようになるのかな…と期待させる展開。この過程は楽しいし、面白い。でも、強欲になるべからず、夢のような時間は永遠には続かない、という世の理を見せつけるようなとっても衝撃的にしめくくられる。子どもの頃に読んでいたときは、恐ろしいなどとは全く感じなかったのに、今回はどういうわけか、とても恐ろしい内容だと感じてしまったのです。大人になって、社会にもまれて、周囲に巧く合わせながら生きていくことの難しさを心の底から感じるようになってしまったからなのでしょうか。
「そらいろのたね」をお庭に植えて、お家の芽がぴょこんっと出るところなど、見てみたかったな。
posted by 花ちゃんとクマの菜葉 at 16:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 番外編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月07日

やっぱりおおかみ

やっぱりおおかみ
ささきまき さく・え
1973.10.1. 211号

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「け」という文字、音が妙に印象に残る「やっぱりおおかみ」。そう、あなたは、何をしても「やっぱりおおかみ」。だから、どこへ行っても仲間に入れてもらえない。仲間意識が強すぎて、仲間外れを作りたがる。それとも、何をしても「やっぱり」おおかみだから、ちょっと怖がられてしまうのかな。
いわゆる「子ども」を意識した、教育的、道徳的な絵本の場合、誰もが仲良くしなければ、と言いたがるけれど、それはそれで、ちょっと不気味。だって、世の中そんな風にはなっていない。だからと言って、ここまで孤高になれというのも、また、ちょっとすごいこと。仲間に入れてもらえないのなら、それはそれで構わないよ…という「おおかみ」君の生きる姿勢もあっぱれ。一人でもやって行く道はあるよねという気持ちに持っていくための徘徊だったのかな。「おおかみ」君の表情が見えない不気味さと歩き回る街の雰囲気が子ども心に格好良いと感じていたように思います。
posted by 花ちゃんとクマの菜葉 at 04:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 200号台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月03日

びんぼうこびと

びんぼうこびと
ウクライナ民話
内田莉莎子 再話
太田大八 画
178号


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家や蔵には、守り神的に精霊とか小人たちがいるのだろうし、身近なところに生息していてほしいなと思いながら日々暮らしております。このようなお話は、おそらく世界各国どこにでもあって、お話が発生したきっかけは、たとえ人様の目がなかったとしても、どこかで何かが必ず見守っているよ、または、監視されているよという。励ましあるいは戒めを伝えているように思います。

「びんぼうこびと」の場合は、一生懸命働く家族だからこそあまりにも居心地が良くて、居着いてしまった「びんぼうこびと」なのだろうな、と思われます。こびとが“貧乏”なのではなくて、住み着いた一家を貧乏にしてしまうこびとたち。一生懸命に働く家族にとってははた迷惑。でも、腐らずに働き続けているところもすごいことだな、と。人は、結局、何かに一生懸命な人は、どんな状況に置かれてもきっとずっと熱心であり続けるというのが定石なのかな、と考えたくなるようなお話しです。
posted by 花ちゃんとクマの菜葉 at 14:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 100号台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする