名作絵本と呼ばれるものが列挙されることがあるならば、必ずリストに入って来るであろう作品の一つがこの「おおきなかぶ」ではないだろうか。あまりにも有名なこの表紙。おじいさんだけで蕪を抜こうと頑張るが抜けなくて、おばあさんが加わって、娘が加わって、犬、ネコ、そして最後にはネズミまで加わってやっとこさっとこ蕪が抜けるのだ。子ども向け作品の必須要素の一つと考えられる、ほぼ同じ内容の文章の繰り返しとそのリズムが心地よい作品だ。ロシアのお話しの再話だが、文章の軽やかさと心地よさは、再話を手がけた内田莉莎子さんのセンスだろう。
気にかかったことが一つ。蕪を直接引っ張っているのはおじいさんだけ。ねこが引っ張っているのは犬、犬がひっぱっているのは孫娘。綱引きをするように、それぞれが蕪を直接引っ張る方が、力が入るのでは、と思ったのだけれど、重箱の隅をつつくようなことは無粋だし、せっかくの文章の面白さも消えますね。
2017.4.24. 改定
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